センター長談話

駒宮幸男先生の訃報に接して

素粒子物理国際研究センターのセンター長を17年間(2000-2016年度)つとめられた駒宮幸男先生の突然の訃報に接し、深い哀悼の意を表します。

駒宮先生は、ドイツDESYでの国際共同実験の成果で、本学から博士(理学)の学位を授与された後、ハイデルベルク大学研究員、スタンフォード大学研究職員、東京大学助教授、後、教授として、国際的な素粒子研究の最前線で学術的成果を挙げると同時に、後進の育成と素粒子物理学の発展に尽力されました。
ドイツ、アメリカ、ジュネーヴの最先端加速器に集う多くの物理学者のリーダーとして国際共同実験を推進し、後に我々が、世界のど真ん中で活躍する事が当たり前になる、そんな道を開拓してくださいました。
また、その卓越した指導力と国際的な高い評価を武器に、次世代の加速器ILCの建設を目指して国内外の研究者の合意形成を図り、国際的な提案を何度も行われました。道なき道を切り拓くために、多大な努力をされました。

駒宮先生のご冥福をお祈り申しあげますとともに、先生が開拓していただいた道をさらに太いものに発展させられるよう、日々、研究を進めてまいります。

東京大学素粒子物理国際研究センター
センター長  石野 雅也