お知らせ
"たたみ一畳分の装置で宇宙の謎に迫る"
"たたみ一畳分の装置で宇宙の謎に迫る"
福井大学遠赤外領域開発研究センターとの共同研究を
文部科学省情報ひろば(エントランス)で特別展示
文部科学省新庁舎(東館)2階エントランスには、教育・科学・文化・スポーツの各分野の最先端かつ最新の情報を広く社会に向けて発信する場が設けられております。このたび、その一環として本学と福井大学との共同研究が紹介されています。
期間
2016年9月1日(木)~ 10月25日(火)※月曜~金曜、10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
会場
文部科学省エントランス(東館2階) アクセスマップ
概要
- 素粒子物理の実験には、スイス・ジュネーブにある欧州合同原子核研究機構(CERN)のように大型加速器が用いられることが通例ですが、東京大学浅井教授らの研究グループは、福井大学が開発した「高出力サブテラヘルツ波光源-ジャイロトロン」という"たたみ一畳分"の装置を用いて、「ポジトロニウム」と呼ばれる自然界で最も軽い"原子"の状態間のエネルギー差の直接測定に世界で初めて成功しました。
- CERNのLHC加速器が山手線一周分(約27km)であるのに対し、ジャイロトロンは床面積1.2m×1.2mのコンパクトサイズ(約3,500万分の1)。2005年当時、福井大学で開発中のジャイロトロンによって、世界最高の1,013GHzの電磁波出力を達成しました。くしくも同じ時期、直接観測が可能な周波数が出力できる装置を捜し求めていた東京大学浅井教授が福井大学の研究成果をいち早く察知し、両大学間の知と知のコラボレーションがスタートしました。
- 福井大学が開発したジャイロトロンは200~300GHzの周波数帯を発振(出力100W)することは可能でしたが、本学の研究グループが観測に必要とする10kWには及びませんでした。そのため浅井教授らは出力を300倍に増幅させる共振器を製作し、ポジトロニウムの発生装置に30kWのパワーを蓄積することを可能にしました。
主な展示物
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実験装置
203.4GHzジャイロトロン装置(約30kg、床面積1.2m×1.2m、高さ1.5m)
ポジトロニウム発生・計測装置(約15kg、床面積1.5m×1.0m、高さ1.0m)
1. 大型加速器を使わずに素粒子の直接観測を実現
2. ポジトロニウム ~新粒子発見のカギを握る"エキゾチック原子"~
3. 福井大学と東京大学の共同研究による成果
特別イベント
日時:2016年9月9日(金)14:00~(約1時間程度を予定)
会場:1階ラウンジ ※展示会場と場所が異なりますので、ご注意ください。
内容:「テラヘルツ波で拓く 素粒子物理学の新展開」をテーマに両大学間の共同研究をわかりやすく解説します。
講演教員:
出原 敏孝 特任教授(福井大学) | 浅井 祥仁 教授(東京大学) |