衝突点で陽子ビームを10ミクロンの太さに絞り込むマグネット
陽子の衝突頻度を高める鍵となるのがビームをどこまで強く絞れるかという点です。そこで、ATLAS、CMS実験等の4カ所のビーム衝突点の両側に各4台の四極磁石(合計32台)を設置しました。四重極磁場は、磁石がNSNSと交互に90度ずらして並んだ構造で、中心には磁場はありませんが、外側へ行くほど急激に強くなります。そこに陽子を入れると、外側にいる粒子が中心に向かう力が働き、絞り込まれます。この装置の開発は高エネルギー加速研究機構(日本)とFermilab(米国)が半分ずつ分担しました。日本では東芝が製造し、2005年に18台の生産と検査を完了しました。
LHC建設に貢献した主な日本企業
古河電気工業 | 超伝導ケーブル |
新日本製鐵 | 双極電磁石の特殊ステンレス材 |
東芝 | 収束用超伝導四極電磁石 |
JFEスチール | 電磁石用非磁性鋼材 |
カネカ | 電磁石用ポリイミド絶縁テープ |
IHI(+Linde) | 低温ヘリウムコンプレッサー |