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Marin Furukawa

田中研究室 博士課程2年

素粒子物理国際研究センターを選んだ理由は?

きっかけは当時のセンター長の浅井先生でした。もともと国際共同研究と素粒子実験に興味があり、ATLAS実験に参加できる大学院を探していました。そんな中、東京大学のオープンキャンパスで浅井先生の講演を聞き、楽しそうに研究について話す先生の姿を見て、ぜひ一緒に研究したいと考え、志望しました。
入学後は田中研究室に所属していますが、ICEPPでは研究室外の先生や先輩と話す機会も多くあり、楽しく過ごしています。

実際に入ってみてどうでしたか?

自分は研究室配属の経験が無く、プログラミングも未経験で、慣れないことばかりでとても戸惑いました。しかし、ICEPPの先輩方や先生方が研究の内容や進め方についてたくさん相談に乗ってくださり、とても助かっています。先生方も見かけると声をかけてくださる方が多く、安心できます。他の研究室の方や、他大学の方ともお互いの研究の話をしたり、ランチに行ったりする機会が多く、周りの方々に支えられながら賑やかに過ごすことができています。最近はCERN現地に滞在して研究を続けており、とても充実しています。

学部生のころと比べて変わったと思う点は?

積極的に人に頼るようになりました。大学院では「何でも自分で完璧にしなくてはならない」と思っていましたが、ICEPPの皆さんは、自分の知らない分野については明確に分からないと仰います。そのため“先生と学生”という関係ではなく共に研究する仲間として、知らないことは助けていただき、知っていることは自信を持って答える、という癖がつきました。自分で頭を使い手を動かすことは大切ですが、一人で悩み続けるより、質問して知識を増やしていくことも大切だと思うようになりました。

研究の楽しさと大変さは?

私はATLAS液体アルゴンカロリメータ検出器の開発に携わっています。この研究の醍醐味は「自分の研究が世界最先端の実験を支えている」という点にあると思います。自分が世界中の研究者と協力して研究した成果が、実際にATLAS検出器に実装され、さらにその検出器が新物理を発見するかもしれない、と思うとワクワクします。
一方で、検出器を調整するには多くのことを検討する必要があります。一人で複数の作業を担当することもあり、並行して進めるのは大変です。限られた時間の中で、チームの一員として責任をもって取り組む必要があり、緊張します。

大学院の生活はどんな感じですか?

ほとんど講義がなくなり、ミーティングと発表、そして英語を使う機会が増えました。共同研究者とも英語でコミュニケーションをとる必要があり、慣れるまでは大変でした。日々更新されるチームメンバーの研究結果も頻繁にチェックしつつ、自分の研究テーマのみならず多方面にアンテナを張って、面白い研究ができるように努めています。
また、自分の研究を他の人にも知ってもらうことも大切だと考え、積極的に研究発表を行なっています。伝えることの難しさも感じ、発表資料や話し方の工夫も日々勉強しています。

将来は?

博士課程を卒業後、研究者としてもうしばらくATLAS実験に携わっていくことを考えています。但し、企業に就職する先輩も多く、研究開発職にも興味を持っています。プログラミングや論理立てて思考し話す力など、ICEPPで培っていく能力は企業でも大いに活かすことができます。そこで、研究業界に残ることと一般企業への就職の両方を検討し、視野を狭めないようにしたいと思います。

素粒子物理国際研究センターを目指す学部生にひと言!

学部とは生活が大きく変わると思いますが、ICEPPには支えてくださる先輩や先生が沢山います。研究に打ち込める設備も整っていて、自分の挑戦したいことに真摯に向き合える環境が揃っていると思います。やってみたいと思ったことに、積極的に挑戦し、悩み、自分を高められる場所です。不安なこともあると思いますが、思い切って入試を受けてみる価値のある場所だと想います。ぜひ説明会やイベントに参加しにいらしてください。