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Kensuke Yamamoto

森研究室 博士課程3年

素粒子物理国際研究センターを選んだ理由は?

学部3年のときに参加した皐月会(関東の高エネルギー系研究室の懇親会)でICEPPを知りました。その後、進学ガイダンスに参加し、大学院生の先輩や先生方の刺激的なお話を聞く中で、皆が生き生きとして研究に打ち込む環境に大きな魅力を感じたのがICEPPを選んだ理由です。その中でも深い興味を持ったMEG実験に参加したいということと、研究室見学等でお話しした際の森先生の人柄に惹かれ、森研究室を志望しました。

実際に入ってみてどうでしたか?

皆が集中して研究に臨める環境が整っていると改めて実感しています。特に私の参加するMEG実験はスイスやイタリアなど5カ国の国際共同実験なのですが、グローバルな実験プロジェクトは想像以上に素晴らしい研究環境であり、レベルアップを常に要求される現場でした。皆がそれぞれの開発に熱心に打ち込み、互いに議論することで新しい発想が生まれるのは、私にとって非常に良い刺激です。途中で行き詰まったり困難にぶつかったりすることが何度もありますが、森研究室・大谷研究室やMEGコラボレーションの皆さんに支えられ、研究を前に進め、達成感を味わうことができています。

学部生のころと比べて変わったと思う点は?

学部生のころは講義が中心ですが、大学院では単位は早々に取り終えて、研究に集中して打ち込むことができます。研究に好きなだけ打ち込む中で、1つのことを丁寧に突き詰める姿勢が身についたと思います。また、研究の成果が出れば、学会や研究会等で発表することになります。初めは論理的な構成を立てて相手に正しく、分かりやすく伝えるということがこんなにも難しいと思っていませんでした。先生や先輩方に多くの助言をいただきながら、着実にプレゼンテーションの力も伸ばしていると自負しています。

研究の楽しさと大変さは?

私は現在MEG II実験でμ→eγ探索に向けたデータ解析をおこなっています。100億-100兆回に1回しか起こらないと予言される稀な崩壊事象を逃さないためには、検出器の較正と理解が必要不可欠です。数年のデータ取得中に起こった問題を一つひとつ調査することで、理解が進んでいると実感できることが楽しいです。一方で、原因がわからずに調査が長く続くときは大変だと感じます。しかし、このようなときも諦めずに、研究室やコラボレーションの方々と議論し改善策を捻り出していくことで、大きな充実感を得られる好循環が生まれます。

大学院の生活はどんな感じですか?

修士1年の最初の半年で講義を取り終えるので、それ以降は好きなときに好きなだけ研究しています。朝はゆっくり起きてしまうことが多い一方で、夜は集中していると気づいたら日付が変わりそうということもしばしばあります。週に何度か定例のミーティングがあるので、それによって生活リズムが支えられています。PSIに出張しているときは環境の変化もあるので、意識的に規則正しい生活をするように心がけていました。休日には趣味である金管楽器を演奏するなど、自由に過ごしています。

将来は?

まだ明確には決めていません。アカデミックの世界は特に厳しい世界であると思っているので、生き残れるか正直不安です。就職も含めて幅広く進路は考えています。しかし、ICEPPでの研究で得られることはどんな世界に行っても通用すると思っています。なので、いろんな世界について少しずつ調べつつ、一生懸命今の研究に向き合うことが将来の道を切り拓くと考えています。

素粒子物理国際研究センターを目指す学部生にひと言!

現在、私は多くの素晴らしい方々に囲まれて、素晴らしい環境で充実した研究生活を送ることができています。皆さんもぜひICEPPで一緒に研究しませんか?ぜひ進学ガイダンスや研究室見学に来て、私たちの雰囲気を肌で感じてもらいたいです!